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乳腺外科のご案内

乳腺外科診療受付時間

診療時間
9:00-12:00
(受付8:45-11:45)
×手術化学×
14:00-17:00
(受付13:30-16:45)
検査手術化学××

※土曜日は第1・3週のみ診療

受診の予約はこちら

 

こんな症状が気になったら受診をおすすめします

  • 乳房の腫瘤(しこり)の自覚
  • 乳房の皮膚の発赤
  • 乳房の膨隆
  • 乳頭の陥没
  • 乳房の引きつれ
  • 血性乳汁分泌
  • 乳頭のびらん
  • 乳房や周辺の疼痛
  • 腋窩リンパ節腫大
  • その他、乳房が熱っぽい、浮腫む、皮膚が硬いなど
    (男性の方も同様)

 

乳腺外科対象疾患

乳がん、乳腺症、乳腺嚢胞、乳腺線維腺腫、乳管内乳頭種、葉状腫瘍、乳腺肉腫、細菌性乳腺炎、うっ滞性乳腺炎、パジェット病、女性化乳房など

 

乳腺外科について

日本の国内では乳がんに罹患する方々が年々増加している状況にあり、相模原市でもこの傾向が見られています。乳がんは、女性がかかるがんの中では一番罹患する可能性が高いものとなってきています。統計的には、一生涯の間に乳がんにかかってしまう方が女性11名中1名、つまり約10%いる状況です。年齢的には、10~20代の方も罹患される可能性がありますが、30歳を過ぎると乳がんの患者数は急激に増加をしていきます。そして、40~60代の方の患者数が最も多い状況です。

患者数の多い乳がんですが、実は、早期に発見され、そして早期に治療することにより治癒する可能性が高いがんでもあります。つまり、早期発見・早期治療が非常に重要ということです。早期に発見するためには定期的に乳がん検診を受けることが大切です。そしてもうひとつ、自己検診がとても頼りになります。まず定期的に乳がん検診を受けることで、触ってもわからない小さい病変や奥深くにある病変が画像上で発見できます。それに加えて自己検診を行っていくことで、普段と違う乳房の皮膚のひきつれやしこりなどが自覚でき、早期に乳がんを発見できる可能性が高まります。

みなさまには、年1回を目安に乳がん検診を受けていただくことをお勧めします。当科でも乳がん検診を行っております。また、乳房やその周辺について気になる症状や違和感が出てきた場合には、「がんだったらどうしよう」と悩んだり、「たぶん大丈夫だろうから考えないようにしよう」と見て見ぬふりをしたりはせずに、早期に当科を受診してください。乳腺外科医師をはじめ、各医療スタッフが真摯にサポートいたします。なお、男性の方も診察しておりますので、お気軽にご相談ください。当院は、患者さまのために早期発見・早期治療に力を入れています。

 

乳腺外科担当医師

竹中 晴幸(たけなか はるゆき)

学歴

北里大学医学部卒業

職歴
昭和57年 北里大学病院 外科入局
平成元年 医学博士号修得
平成2年 北里大学医学部 外科学講師
ニューヨーク医科大学留学
平成3年 帰国
平成7年 東芝林間病院 外科部長
平成15年 東芝林間病院 地域医療連携室長兼任
平成29年 さがみ仁和会病院 副院長
平成30年 乳腺疾患診療センター開設
さがみ仁和会病院 病院長
現在に至る
資格
  • 医学博士(研究内容:乳腺のリンパ流について)
  • 日本外科学会指導医
  • 日本乳癌学会専門医
  • マンモグラフィ読影資格Aランク
  • 日本消化器外科学会認定医
医師会
  • 相模原医師会 乳がん検診部会 部会長
  • 地域保健委員会 委員長
趣味
  • カメラ

 

茂木 浩子(もぎ ひろこ)

学歴

昭和大学医学部卒業

資格
  • 日本外科学会専門医
  • マンモグラフィ読影資格Aランク

 

 

*北里大学病院乳腺外科と密接な連携を構築しています。

 

 

乳腺外科検査

マンモグラフィ検査

当院のマンモグラフィ検査は女性の診療放射線技師が行います。

 

CT検査

MRI検査、PET-CT検査は連携病院で行います。

 

超音波検査

超音波検査は全く痛くありません。放射線も出ません。

 

乳管造影

乳頭部に造影剤を注入してマンモグラフィを撮影します。

 

穿刺吸引細胞診(超音波ガイド下を含む)

 

注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察します。

 

針生検(マンモトーム生検を含む)

局所麻酔をし細胞診より太い針で組織を取り出し顕微鏡で観察します。

 

摘出生検

手術で身体を切開して組織を取り出し顕微鏡で観察します。

 

乳腺外科手術

乳腺良性疾患

  • 腫瘤摘出
  • 選択的乳腺区域切除
  • 膿瘍切開術など

乳癌手術

  • 乳房温存手術(乳房部分切除)
  • 乳房全摘
  • 腋窩リンパ節郭清
  • センチネルリンパ節生検
  • 乳頭温存乳腺全摘
  • 胸筋合併乳房切除
  • 乳房切除後乳房再建術など

 

放射線治療

放射線治療は連携病院で行います。

  • 乳房部分切除後残像乳房照射
  • 再発部位、手術残存部位照射

 

抗癌剤治療

外来化学療法室

抗癌剤治療は外来化学療法室で数か月間かけて通院で行います(導入時は入院)。

主な抗癌剤

  • パクリタキセル(タキソール)
  • CEF(サイクロフォスファマイド)
    (エピルビシン)
    (5-FU)
  • エリブリン(ハラヴェン)
  • ビノレルビン(ナベルビン)
  • イリノテカン(カンプト)
  • 分子標的治療薬(ハーセプチン)など

 

乳腺外科の一般的な治療の流れ

〇毎週月曜の午後、マンモトーム外来(精密検査)

①ピンクの検査着に着替えて行います。

 

 

 

②外来6番診察室、乳腺外来を行っています。

 

 

 

③結果は2画面で前回、今回と比較説明します。

 

 

 

④リクライニングチェアで治療します。
 化学療法専用の調剤室もあります。

 

乳腺外科診療実績(令和2年度)

  • 外来来院数 3191名
  • マンモトーム外来 106名
  • 手術件数 79名
  • 外来化学療法 102名

 

乳腺疾患診療センタースタッフ

医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、看護助手

乳腺疾患診療センターパンフレット

 

 

困ったときにお読みください。

乳腺外科Q&A(よくある質問)

脇にしこりがあります。乳がんの可能性はありますか?

主な腋窩のしこりはリンパ節腫大、副乳、粉瘤等の皮下腫瘤があります。
リンパ節腫大は上肢の炎症や、乳がんからのリンパ節転移、悪性リンパ腫などで腫大します。
一般に炎症の場合は疼痛を伴うことが多いようです。

授乳中に胸にしこりがあります。乳がんの可能性はありますか?

授乳中のしこりの多くはうっ滞性乳腺炎による腫れや乳瘤と呼ばれるミルクのかたまりですが、まれに乳がんの発生もあります。

胸から分泌物や血が出ています。乳がんの可能性はありますか?

血性乳汁分泌は乳管内乳頭腫、乳がん、まれに乳腺症などで起こります。

胸にチクチクと痛みだけありますが受診したほうがいいですか?

乳房痛の多くは乳腺炎やエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンに感受性が高いところ、高い時期によく起こります。多くの乳がんは痛みを伴いません。

胸が張っている感じがありますが受診したほうがいいですか?

乳房の張っている感じは乳腺症による場合が多いですが、乳がんの可能性も否定はできません。

胸にあざが出てきていますが受診したほうがいいですか?

乳房のあざ(発赤)は皮膚科的疾患以外に乳腺炎や乳がんの皮膚浸潤、皮膚転移、炎症性乳がんなどで起こります。

腕、肩、肩甲骨などが痛いですが、乳がんでは胸や脇以外の部位に症状が出ることはありますか?

乳がんの痛みの多くは骨転移から起こります。
その好発部位は脊椎、骨盤、大腿骨、肋骨です。

乳がんの家系ですが、年1回の乳がん健診で十分ですか?

乳がん検診は年1回の受診で十分ですが、自己検診も大切です。
その時期は生理後7~10日が良いです。
閉経後の方は誕生日などの記念日に月1回の自己検診をお勧めします。

胸に違和感がありますが乳がん検診を毎年受けて異常がないので大丈夫ですか?

乳がん検診は早期発見を目的としています。
検診を受ければがんに罹患しないわけではありません。
違和感があれば受診すべきと思います。

乳がん検診が毎年異常なしでも数年前のしこりが実は乳がんだったという事例はありますか?

進行が極めて遅い乳がんもあります。
また良性腫瘤ががん化する場合もあります。
乳管内増殖性の強い乳腺症や乳頭腫などがその例です。

検診で要精密検査と出ても、実際に乳がんだったという可能性はどのくらいあるのですか?必ず受診したほうがよいですか?

相模原市を例にとると、年間で市の乳がん検診の対象者は約10万人です。
このうち約1万人の方が市検診を受けます(約10%)。
このうち約1000人が要精密検査になります(約10%)。
要精密検査になった方の60~70人が乳がんでした(6~7%)。
また発見された乳がんの6割が早期乳癌でした。
早期発見のためにも市検診を受けましょう。

マンモグラフィーとエコー何が違いますか?どちらがいいですか?

マンモグラフィは乳がんに特徴的な微細石灰化像の抽出に優れていますが、乳房を圧迫して撮影するため、若年者や授乳歴のない人の場合は、乳腺の繊維が多く(高濃度乳腺)石灰化を伴わない乳がんの場合は重なりの中に隠れてしまう時があります。
一方、超音波は乳房を圧迫しないため、乳腺の重なりがなく、容易に腫瘤を抽出できますが、微細石灰化像を正確に抽出できません。

そこでまず、マンモグラフィを行い、石灰化像の所見を診て、高濃度乳腺の方は、補助的に超音波を追加するのが良いと思います。

マンモグラフィーは毎年受けても被爆は大丈夫ですか?被爆が積み重なって別のがんが発生することが怖いです。

乳房は軟部組織でそれを圧迫して薄くして撮影するため放射線量はわずかで済みます。
ちなみに成田からニューヨークまで飛行機で飛ぶ際に浴びる自然放射線量とほぼ同じと言われています。

検査に使う造影剤は体に悪い影響がありますか?

転移検索で全身のCTを取る際に造影剤を使う時があります。
造影剤は腎機能を悪化させる場合があります。
またごく稀ですがアナフィラキシー症状を呈する場合もあります。
情報を得るメリットと副作用のデメリットをよく考慮して行うのが良いと思います。

検診で石灰化とありました。精査しなくても大丈夫ですか?

石灰化は全てががんではありません。
良性疾患(乳腺症、繊維腺腫など)でも発生しますが、がんの場合は微細な石灰化が集簇したり、線状に配列したりといった特徴があります。

他の病院の乳腺外科で脂肪のかたまりか副乳か何かはっきりわからないが悪いものじゃないから様子を見ててよいと言われました。
放置するのに不安がありますが大丈夫ですか?

不安であれば、穿刺吸引細胞診や針生検を受けられると良いと思います。
メスを入れるわけではありませんから傷跡も残りません。

他の病院で診察を受けているのに相談に行くことはできますか?

出来ますが、そのことを主治医にお話をして、紹介状(もしくはセカンドオピニオン)と検査画像等をもらい受診すると、同じ検査をしなくて済みます。

しこりに痛みがありますが、痛みを軽減することもしてもらえますか?

痛み止めは処方されます。
しかし痛みの原因を調べることが重要です。
炎症であれば抗生剤が必要になります。
ホルモン由来であればそれに見合う対処をします。

治療が始まると赤ちゃんへの影響が心配です。授乳してきたし今後も続けたいができるのでしょうか?

病状で赤ちゃんへの影響は異なります。
乳がんで抗癌剤や内分泌剤であれば、薬剤の母乳への移行があり赤ちゃんに悪影響があります。
細菌性乳腺炎では母乳に細菌がいるため悪影響があります。
一方、うっ滞性乳腺炎では乳房マッサージやしっかりと授乳を行うことが予防であり治療でもあります。

忙しく時間が取れないので、米粒のような小さなしこりなら急いで受診しなくても大丈夫ですか?

言うまでもなく早期発見、早期治療ががん治療の基本です。
しこりが小さいからといって受診を控えることは避けましょう。

しこりの変化に気づくように、毎日自分でチェックする良い方法はありますか?

自己検診は、生理前は乳房が張っているため検診には向いていません。
生理後、7~10日ごろが良いと思います。
閉経後の方は月1回、日にちを決めて行うのが良いでしょう。

ホルモン療法を勧められたらもう妊娠出産を諦めなければなりませんか?諦めなくてよい治療法はありますか?

ホルモン療法が終了すれば妊娠は可能です。
ただしホルモン治療の終了年齢で妊娠ができなければ、治療前に卵子を摂取し凍結保存する方法もありますから主治医に相談すると良いでしょう。

諦めずに頑張って治療を受け続けたら生存率は変わってくるのでしょうか?

効果のある抗癌剤や副作用の少ない分子標的治療薬、効果のある内分泌治療薬等が、日々に進歩、開発されています。
諦めずに治療を続けましょう。

仕事や妊娠などの理由で治療を延期したら悪化や再発のリスクはどのくらい変わるのですか?

原発がんか転移がんかまたがん細胞の悪性度などでそのリスクは変わりますが、治療の延期は生存率の低下につながると思います。

ホルモン療法の注射などをすると生理が止まってしまい、もう再開しなくなるのでしょうか?

閉経前でホルモン療法の注射となればLH-RHアゴニスト(ゾラデックス)が有名です。
これであれば、注射を止めれば生理が再開します。

高齢の場合には化学療法などの治療は諦めなければなりませんか?

高齢であれば抗癌剤の副作用による体への影響を考慮しなければいけません。
この場合は、抗癌剤の投与量を減少したり、薬剤の種類を変えたりして行うこともできます。

手術で胸を切ってしまうことが怖いです。
自分で調べると代替療法の情報もたくさんあって迷います。
先生は代替療法をどうお考えですか?

代替療法がどういうものか分かりませんが、医学界でエビデンスのある(評価のある)治療法を受けることが大切です。

部分切除の手術だとがんが残って再発する危険性は高いですか?

乳房温存手術は乳房部分切除後に残存乳房に放射線療法を行います。
しかし残念ながら2~3%の方は乳房内再発が診られます。
でも、早期発見してその時点で乳房切除をすれば、最初に乳房切除を受けた方と比較して生存率に差は見られません。

マンモ、エコー、細胞診、MRI、針生検などたくさんの検査をしている方がいるのを聞きます。マンモグラフィーだけだと見過ごされることもありますか?

通常、最初の検査はマンモグラフィや超音波検査です。
ここで診断がつかなかったり、確定診断が必要となれば細胞診や組織診といった針生検を行います。

手術を勧められる場合と、放射線治療を勧められる場合、化学療法を勧められる場合の違いがわかりません。何が違うのでしょうか?

早期がんや早期に近い進行がんは、最初に手術を行いますが、進行がんや末期乳がんであれば、術前化学療法や内分泌療法が行われます。
放射線は乳房温存手術後に残存乳房にかけたり、また転移部位にかけたりします。

男性ですが、脇の下にしこりがあって乳がんみたいと言われました。男性にも乳がんがあるのですか?女性が対象の診療科なのでとても受診しづらいですが、男性でも普通に診てもらえますか?

女性乳がん患者数の約0.5%の頻度で男性にも乳がんが発生します。
また男性でも乳房痛や乳腺腫大といった女性化乳房という疾患もあります。
遠慮なく受診しましょう。

乳腺症と言われましたが、がんに変化することがありますか?

乳腺症には多彩な病理学的所見があります。
なかでも乳管内増殖性変化を有する場合は乳がんへの移行があります。

マンモトームを受けると何週間も血が出続けたり、痛みや腫れが続いたりするのですか?

マンモトーム生検は通常の針生検と比較すると切除範囲が広くなります。
このため施行後は30~60分創部を強く圧迫して止血を行います。
また痛み止めも処方して対処いたします。

複数のしこりがある場合、全部調べてもらえるものですか?

もちろん複数のしこりがあっても、それぞれしっかりと検査をします。

手術して5年経過を診てもらったらもう乳がんは治ったということで大丈夫ですか?

乳がんを含め内分泌がんは治療後5年たっても10年たっても頻度は低いですが再発の危険はあります。

リンパ節や他の臓器に再発しても乳腺外科での手術になるのですか?

手術単独では治療になりません。化学療法、内分泌療法や放射線療法との併用で治療を行います。

乳がんの治療中にコロナワクチンや他の予防接種を受けられますか?

化学療法に入る前にコロナワクチンやインフルエンザワクチンを受けるのが理想ですが、不可能なら白血球数の低い時期を避けて接種を受けると良いでしょう。

手術までを先生にお願いしてその後の様子観察目的の通院を自宅近くの医療機関に変更することは可能ですか?

主治医に相談して情報提供書を持参して、自宅近くの病院で診てもらうことは可能です。

他の先生の意見も聞きたい場合、先生は快く紹介状を書いてくださいますか?

セカンドオピニオンといって、他の先生の治療方針を聞くことも可能です。

腫瘤があるとわかりましたが、不安なので手術で取ってもらうことは可能ですか?

主治医に相談して腫瘤摘出を受けることは可能です。

乳がんの手術中に麻酔から覚めずにそのまま亡くなるという可能性はどのくらいありますか?高齢になると危険と感じています。

全身麻酔から目が覚めなかった方は、私が経験した乳がん患者約2000人の中には誰もいません。
確かに術前に合併症を持っている方や高齢者ではリスクはありますが、麻酔も日々、進歩を続けています。

どういう状況の場合、乳がんが大きくなって「花が開く」という段階に進むのですか?どうして防げないのですか?

乳がんが大きくなって皮膚を破り潰瘍形成を起こしてくることを、俗に花が開くといいます。
このようになると出血や悪臭を保つことになります。
多くはしこりを自覚するも怖くて来院しなかった方が多いようで、しこりを感じたらすぐに来院するように心がけましょう。

手術や場合によっては検査でも、利き手の機能が落ちてしまうことがありますか?手が不自由になり仕事に支障が出るのが不安です。

腋窩リンパ節の郭清を行った場合に上肢の浮腫みが起きる場合があります。
これに伴い手の運動に支障が出たりする場合があります。
また、患側上肢の術後のリハビリが不十分であった場合に肩関節の拘縮が起こり上肢の挙上に制限が出たりします。
これらを回避するために、今はセンチネルリンパ節生検が行われています。

手術でがんの取り残しがあったという話を時折聞きますが、取り残してしまう理由はなんですか?

がん種が大きい場合はどうしてもがんの取り残しが起きる場合があります。
また、しこりが大きくなくても乳管内をがんが広く散らばる(乳管内がん進展)タイプの乳がんでは乳房部分切除では取り残しが起きる場合があります。
このような時は再手術や放射線療法で対処します。

セカンドオピニオンで行った病院で乳がんらしきものは見当たらないと言われたら、初診の病院が誤診だったとのことで安心して大丈夫ですか?サードオピニオンということで検査の結果を持ってそちらを受診した方がいいですか?

何らかの所見があったから乳がん疑いになったと思います。
その所見を説明してもらい自分で納得がいけばサードオピニオンは必要ないと思います。

本当の病名や余命を伏せて(場合によって家族にだけは伝えて)診察を続けられる場合もありますか?

患者さんの精神状態から、余命については受け入れが困難と思われた場合は、家族に相談後、患者さん自身には伝えない場合もあります。
病名については、現在は患者さん自身に話さないことはないと思います。

高額な治療法や薬であることを知らされず勧められて請求されることはないですか?

がん治療は高額になる場合が多いです。国に高額療養費の制度があり、収入に応じて支払金額の上限が定められています。
病院に医療相談の部署がありますから相談すると良いでしょう。

手術ではなく温存と言われたら状況が悪いということですか?

温存という言葉が乳房温存療法を指していれば、状況が悪いということではありません。
乳房温存療法は乳房部分切除後に放射線療法を行う方法で根治を目指した治療です。

できるだけ早く確定診断が欲しいのですが、他の病院の検査データを持って相談できますか?

主治医に相談して紹介状を書いていただければ、引き続き検査を行うことはできると思います。

急いで受診したほうがいい場合は、予約が埋まっていても臨時で当日や翌日に診てもらえますか?

まず、病院の受付で相談してみてください。患者さんの利益につながるように対応してくれると思います。

細胞診、組織診、乳管造影などを可能な限り早く受けることで乳がんかどうかのほぼ確定的な診断がつきますか?

過剰な検査は良くありませんが、必要かつ迅速な検査を早く行うことは確定診断につながります。

乳がんのステージとはなんですか?

がんステージとは腫瘤径(T)、所属リンパ節(N)、遠隔転移(M)の3つの組み合わせで進行度を分類したものです。

乳がんの組織型とはなんですか?

乳がんの組織型はまず非浸潤がんと浸潤がんに分けられ、非浸潤がんには乳管がんと小葉がんがあります。
浸潤がんには乳頭腺管がん、充実腺管がん、硬がん、特殊型があります。

乳がんのサブタイプとはなんですか?

乳がんのサブタイプとは乳がん組織を女性ホルモンの感受性、Her2タンパクの量、Ki67(増殖のスピード)から分類して、最良な抗癌剤や内分泌療法を選択するために使用するものです。

乳がんの局所とはなんですか?

局所とは患側の乳房、大小胸筋および所属リンパ節(腋窩~鎖骨下リンパ節)のことを指します。この範囲の病巣は根治的手術の対象となります。

乳がんの局所治療とはなんですか?

局所治療とは病巣部を切除したり放射線療法を行うことです。

乳がんの全身治療はなにをするのですか?

全身治療とは経口剤や注射、点滴で抗癌剤治療や内分泌療法を行うことです。

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