糖尿病内科のご案内
糖尿病内科診療受付時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:30-12:00 (受付8:45-11:45) | ◯ | × | × | ◯ | ◯ | × | × |
14:00-17:00 (受付13:30-16:45) | × | ◯ | ◯ | × | × | × | × |
持続血糖モニタリング(CGM)
フリースタイルリブレ2
患者様の身体の一部に取り付けたセンサーが、グルコース濃度を15分毎に連続的に測定しながら血糖値を記録します。従来の器械のように指先を傷つける必要がありません。センサーは腕に貼り付けて2週間使用した後は使い捨てです。当科では自費での対応と併せて、条件を満たす患者様は保険診療で使用できます。ご利用される方がご自宅にいる時間帯でも血糖値がきちんとコントロールできているか把握できます。
自費(保険外適応)でフリースタイルリブレ2を使用される場合の金額
FreeStyleリブレ2 センサー (14日使用分) | 1センサー 税込7,480円(税抜6,800円) |
保険適用で使用できる方
- インスリン療法を受けられている方
こんな症状が気になったら
下記のような方は『糖尿病』などの可能性があります。ぜひ病院でチェックを受けてください。
- 最近とても太ってしまった・お腹が出てきた・体重が増えた
- とてものどが渇く・水分をたくさん飲んでしまう
- トイレの回数が多くなった・尿の量が多い・汗がたくさん出る
- 尿が泡立つようになった・尿の臭いが変わった
- 全身がだるく疲れやすくなった
- 食欲があるのに体重が減ってきた
- 視力が落ちてきた
- 健康診断で血糖値が高かった
- 健康診断でヘモグロビンA1cが高かった
- コレステロール値が高い
- 尿酸値が高い
- 内分泌異常と言われた
糖尿病内科担当医師
文字 照憲(もんじ てるのり)
さがみ仁和会病院 病院長
学歴・職歴
2016年 東海大学医学部卒業
2016年 東京医科大学病院初期研修医
2018年 東京医科大学病院糖尿病・内分泌・代謝内科入局
新座志木中央総合病院・TMGあさか医療センター出向
2024年 さがみ仁和会病院常勤内科医師として着任
所属学会
- 日本糖尿病学会
- 日本内科学会
- 日本内分泌学会
資格
- 日本専門医機構認定内科専門医
- 日本糖尿病学会認定糖尿病内科専門医
- 日本専門医機構認定糖尿病・内分泌内科専門医
経験症例
- 糖尿病
- 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
- 高血糖高浸透圧症候(HHS)
- インスリノーマ
- 妊娠糖尿病(GDM)
- ステロイド性糖尿病
- 重篤な感染症合併(糖尿病性足壊疽)
- 手術前の血糖コントロール など
- 内分泌
- 汎下垂体機能低下症
- 特発性尿崩症
- SIADH
- MRHE
- Basedow病
- 橋本病
- 亜急性甲状腺炎
- アミオダロン誘発性甲状腺中毒症
- 原発性副甲状腺機能亢進症
- 副甲状腺機能低下症
- クッシング症候群
- 副腎不全(irAE・医原性) など
本科医師は専門領域として、糖尿病や内分泌疾患のほか、高血圧症や脂質異常症、高尿酸血症、肥満症などの『生活習慣病』の治療に携わっています。大学病院での治療を経験し、これまで学び培ってきたことを活かして当院で診療を行っています。当院では、運動や食事といった生活スタイルの改善、一般的な糖尿病薬による治療、インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬などの更に進んだ治療、インスリン治療まで、糖尿病治療の大部分を網羅しています。また、糖尿病の療養指導として医師に加えて看護師などによる生活指導や食事指導も行っているため、日々の食事や運動について生じる疑問・相談などにもきめ細かく対応しています。入院が必要な患者さまに関しては、速やかに当院にて本科医師が責任を持って担当いたします。インスリン注射を始めたいが入院は避けたいという患者さまには、外来でインスリン注射の指導を受けることも可能です。
治療で心がけていること
患者様のプロブレム(問題)に対して、どういう治療をしていくのか・しているのかを、患者様お一人おひとりに、わかりやすく説明していくことを大切にしています
- 腎機能・肝機能について
- 心臓血管疾患・心不全のリスクや状況について
- 肥満の影響や低栄養やフレイル(身体機能障害に陥りやすい状態)について
- 年齢(特にご高齢の方)と低血糖について
- 薬の管理(残薬)・アドヒアランス(患者様が治療方針に納得し薬をしっかりと飲めている状態)に関して
などなど
糖尿病指導
当院職員が地域糖尿病療養指導士(LCDE)を目指し研鑽中
栄養指導あり
※医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、リハビリスタッフで力を合わせて、よりよい糖尿病治療に向けて勉強中です
糖尿病入門書
当院オリジナルの患者様向け指導書を使用しています
方針
適切な治療薬を選びます
2型糖尿病の薬物治療アルゴリズム(第2版)糖尿病66(10):715~733, 2023
ガイドライン・エビデンスに基づいて治療を行います
日本老年医学会・日本糖尿病学会・高齢者糖尿病診療ガイドライン2017. 南江堂, 2017:43~48
新しい知識を追いかけます
※参考:日本人糖尿病患者の総エネルギー消費量はおよそ36.5kcal /kg/日
Yoshimura E, et al. J Diabetes Investig(2019)10:318-321
医療連携
小規模型病院として、相模原地区の地域医療に貢献します
患者様のご紹介に関しましては、お気軽に電話一本で地域連携室までご連絡ください
糖尿病・内分泌専門医としての役割 ~外来~
糖尿病
- コントロール困難な糖尿病(インスリン導入・調整のご依頼、シックデイ指導、糖尿病教育、栄養指導、内服調整、リブレ2導入)※インスリンポンプについては現在対象外です
内分泌
- バセドウ病、亜急性甲状腺炎 初期のコントロール
- 二次性高血圧、原発性アルドステロン症
- その他内分泌疾患が疑われる患者様の精査(高カルシウム血症など)
その他
- 「人手が足りなくて患者様を紹介したい」などのご要望
糖尿病・内分泌専門医としての役割 ~入院~
糖尿病
- ケトアシドーシス、ケトーシスなど高血糖緊急症
- 糖尿病教育入院
- 血糖管理入院(薬剤調整やインスリン導入)
- シックデイコントロール、糖尿病患者様の肺炎・尿路感染など
糖尿病・内分泌・一般内科において『断らない病院』を目指しています
治療が落ち着いたらご担当の先生方へ治療ケースをお戻しします(外来フォローをご希望の場合はご相談ください)
当院で対応が難しいと判断させていただいた患者様につきましては、中核病院へ適宜紹介します
地域のかかりつけ医である診療所、私たちのような小規模病院、高度医療を担っている基幹病院、それぞれに役割は違いますが、相模原の地域医療に貢献するという”思い”は同じだと考えています
治療
1.食事療法
最も基本的な、かつ効果的な治療方法です。しかしながら、糖尿病の治療をはじめるにあたり、「食べることを我慢しなければならない・・・」「甘いものを食べられなくなる・・・」「お酒も飲んではいけない・・・」など、毎日の楽しみを失ってしまうという不安を持たれてしまうのが患者さまにとって正直なところかと思います。糖尿病の食事コントロールはとても辛くて大変という印象を持たれる方も多いと思われますが、糖尿病を治療するうえで、食べることを禁止する食品は特にありません。頑張るべきポイントをいくつか抑えていただければ、良い効果が出ることが多いです。当科では皆さんに食べてはいけないものを列挙するのではなく、普段の食事で何をどれだけ食べたら良いのかという視点で指導に取り組んでいます。甘いものについては、禁止するのではなく、食べるタイミングを患者さまと検討する視点に立っています。その他にも食べる順番などを一緒に考えたり、お酒も含めた食事についても、検討していきます。無理して我慢をして食事を抜いてしまったり、短期間集中的に我慢しても、逆に日頃の血糖値のバランスが崩れて、次の食事の際に血糖値が上がりやすくなってしまうなど、良くない傾向になりがちですのでお勧めできません。頑張っているのになかなか成果が出ないという方は、治療を受けながら上手に工夫して良好な血糖コントロールをしていきましょう。
2.運動療法
食事と同時に進めていく重要な治療方法です。運動を取り入れることで、エネルギーを消費して血糖を下げると共に、効率よくエネルギーを燃焼するための代謝も改善されていきます。代謝の機能がしっかりと改善されて体に定着してくためにも、運動を短期間にまとめて行うのではなく、少しずつできる範囲で継続して行うことが大切です。運動といっても負担が大きいものを想像しなくても大丈夫です。例えば、エスカレーターを使わずに階段を昇ってみるなどの日頃の生活の中のちょっとした工夫を大切にしています。少し時間があるときに、少し体を動かしてみるという姿勢を推奨しています。治療においては、合併症や飲んでいる薬などの注意点を踏まえて、運動の種類や回数などを指導させていただきます。
3.薬物療法
糖尿病の薬物療法は、一般的に飲み薬とインスリン注射の2つに大別されます。1型糖尿病の患者さまについてはインスリン注射が不可欠となります。2型糖尿病の患者さまについては、食事療法や運動療法で改善されない場合の次の段階として、飲み薬やインスリン注射を使っていきます。薬の力を借りた方が良い場合には上手に使うことで、合併症を起こさずに元気な毎日を過ごせることを大切にしていきます。副作用については過大に心配する必要はまったくありませんので、不安な部分は医師に相談していただければわかりやすくご説明いたします。インスリン注射については、入院しなくても通院しながら始められることも手段としてありますので、医師にご相談ください。インスリン注射の種類は増えていますので、注射をするタイミングや回数などをご自身に合った方法に選択することが可能です。
4.合併症のサポート
糖尿病については合併症も気になる部分ですが、早期発見のために当院ではさまざまな検査を行っております。
〇採血検査
HbA1cは糖尿病コントロールの重要な指標です。採血することでこの値を測定します。
〇自己血糖測定器
自己血糖測定器を使用して、ご自宅で測定していただいた結果をみることができます。一日のなかで、いつ、どの程度血糖値が上下しているのかを、その時間帯の生活動作と比較しながら把握できます。
〇超音波検査
糖尿病をはじめとした生活習慣病では動脈硬化が非常に進みやすく、しかしながら自覚症状がほとんどないため知らない間に進行してしまいがちです。このような動脈硬化の変化を早期に発見するため、頸動脈の超音波検査を行っています。また、糖尿病などの生活習慣病で合併して発症する恐れのある脂肪肝や慢性肝障害、膵炎、そして癌などをチェックするために、腹部の超音波検査で、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、胆嚢などの臓器を観察します。
〇心電図検査
糖尿病をはじめとした生活習慣病では動脈硬化が非常に進みやすく、しかしながら自覚症状がほとんどないため知らない間に進行してしまいがちです。このような動脈硬化の影響で心臓機能に変化が生じ、不整脈や狭心症、心筋梗塞などのリスクが高まりますので、心電図の波形からこれらのリスクがないかを判断します。
〇レントゲン検査
糖尿病の合併症や、糖尿病が原因での体力・免疫力低下により二次的に発症してしまう病気などを判断するために行います。
糖尿病とは
糖尿病は、初めのうちは自覚できる症状がほとんどなく、知らない間に合併症を引き起こしてしまうことがある病気です。国内において、糖尿病の合併症が原因で、人工透析をはじめる患者が毎年1万人以上もおり、同じく合併症が原因で失明する方が3千人以上います。それ以外にも動脈硬化が進行してしまい心筋梗塞や脳血管疾患などの病気が突然発症し、命を落としたり、重たい障害が残ってしまう方が大勢いらっしゃいます。特別に症状が何もないということで、ずっと糖尿病を放置してしまうと、体内の血糖値を正常に下げる機能を持つインスリンが、膵臓から少しずつ出なくなっていきます。出なくなってしまったインスリンを、現在の医学で元通りにすることは非常に難しく、インスリンが減ることに伴う体の不調も同じく元通りにすることは難しいものです。糖尿病は、できるだけ早い段階で、しっかりと継続して治療を行っていくことが大切です。
糖尿病相談
糖尿病が心配ではあるものの受診することに気後れしてしまう皆さまの不安を少しでも取り除くために、糖尿病のご相談をいただく患者さまについて、以下のことをこころがけています。
①しっかりと患者さまと向き合って診察を行い、お話をうかがうことで、気軽に相談できる医師や看護師、リハビリスタッフであるよう努めます
②治療方針を決めていくにあたり、患者さまのご希望や日頃の生活スタイルをしっかりと考慮し、患者さまの生活の中で優先すべきことについては配慮をいたします
③患者さまとお話をするなかで、普段、医療に携わることのない皆さまにとってなじみのない専門用語などを使うことで治療の内容がわかりにくくなってしまうことがないよう努めます
糖尿病の診断
糖尿病の診断となるのは、血液検査の項目で、空腹時血糖値126mg/dl以上、もしくは通常時血糖値が200mg/dl以上の値となった場合です。測定は厳密に血液検査を2回行う必要があります。糖尿病の症状が既に出ており、かつHbA1cの値が6.5%以上の場合などは1回の血液検査の値で糖尿病と判断します。
糖尿病予備軍
空腹時血糖値110~125mg/dlの場合、正常と糖尿病の間の状態とみなされ境界型と診断されます。境界型の場合、正常の人より5~20倍糖尿病になりやすい状況です。境界型と診断された場合、更に追加検査として75gブドウ糖負荷試験(OGTT)を行い、負荷後2時間後の血糖値200mg/dl以上で糖尿病型の診断をします。
困ったときにお読みください。
糖尿病内科Q&A(よくある質問)
はじめての受診でも糖尿病外来は予約できますか?
初診の患者さまのご予約も承っております。お気軽にご相談ください。
別の医療機関で診てもらっているのですが、通院先を変えられますか?
通院先を変更される患者さまのご予約も承っております。可能であれば今までのかかりつけの先生に紹介状を作成してもらえれば助かります。
血糖測定器の購入はできますか?
当院では血糖測定器本体の販売は行っておりません。
血液検査の結果はいつわかりますか?
血糖値とHbA1cは、受診日に結果をお伝えします。その他の検査は外部委託のため日数を要すものがあります。
栄養指導だけ受けることはできますか?
栄養指導だけ受けることはできません。医師の指示が必要となりますので、一度受診をしていただく必要があります。
症状がなくても治療を続けなければいけませんか?
糖尿病は自覚症状がほとんどありません。しかし治療を途中で中断してしまい、症状がないものの高血糖の状態が続いてしまうと、将来的に脳梗塞や心筋梗塞、認知症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などを発症するリスクが非常に高くなります。当院では、患者さまに治療を継続していただけるようご説明し、サポートさせていただきます。
糖尿病と気付くにはどうしたら良いですか?
糖尿病初期の場合は、自覚症状がない場合がほとんどです。ですので、そのためには健康診断を年に1回は受けていただき、その結果をご自身でしっかりと確認していただくことが大切です。
自分が糖尿病のリスクがあるかどうか健診結果の何を見れば良いですか?
健康診断の早朝空腹時血糖値とHbA1cを確認することです。早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満、HbA1cが6.5%未満であれば、正常です。数値がご心配でもう少し詳しく検査をしたい場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)という検査を受けてみてください。
糖尿病の1型と2型の違いはなんですか?
糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病はインスリンを作る膵臓にあるβ細胞が破壊され、インスリンを体内で作ることができなくなる病気で、治療はインスリン治療になります。2型糖尿病は食事や肥満、運動不足などの生活習慣が原因でインスリンの分泌が不足してしまう病気です。治療の基本は、食事療法や運動療法による生活習慣の改善です。日本人の糖尿病の方の9割は2型糖尿病です。
2型糖尿病は治るのですか?
1型糖尿病は残念ながら完治は難しいのですが、2型糖尿病の場合、食事療法や運動療法を継続し奏功すると、内服薬が必要だった状態が薬を終了してもよい状態になることが可能です。但し、もともとは生活習慣に起因する病気であるため、食生活が乱れてしまうと再び血糖値は悪化してしまいます。治ると言えますが、生活習慣という意味では意識を継続して経過をよく観察していく必要があると言えます。
甘いものを食べなければ、塩系のおやつなら糖尿病になりませんか?
甘いものでなくても、食事をすると必ず血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がります。食事とそれ以外の生活習慣を総合的に見てバランスを崩していれば糖尿病になるリスクがあります。ですので甘いものを食べなければ大丈夫とは言えません。
糖尿病は自覚症状が無いので痛みなどの苦痛は起こりませんか?
糖尿病は自覚症状がありません。但し、糖尿病が進行し合併症を起こすと様々な苦痛が起こります。例えば糖尿病が進行して心筋梗塞を起こした場合には、非常に苦しい胸の痛みが襲い、その場で命を落とすリスクも非常に高いです。また別の例として、足の血流が悪くなる閉塞性動脈硬化症を起こした場合は、足の組織が腐り、非常に強い痛みが伴うこともあります。足を切断することになった患者も非常に多いのが現状です。その他、目が見えなくなったり、体じゅうの痺れに悩まされたりなど様々な合併症が起こり得ますので、発生する苦痛もその分多様です。
尿糖が出たらどうしたらよいですか?
健診で尿糖を指摘されたら、必ず医療機関を受診して血糖値を測定してもらって下さい。 尿糖の再検よりも、血糖値を測定することが大事です。
太っていないのに糖尿病と言われることはありますか?
実際のところ、日本人の糖尿病は肥満ではない人が半分以上いらっしゃるのが現実です。太っていないからといって安心はできません。