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足の一般論

 足は全身を支える部分であり、スポーツなどで痛めやすい部分です。また、加齢や外傷、病気等で変形も生じやすく、慢性的に痛みを感じている人も多い部分になっています。

 

足の構造

 足は足関節(足首)と足に分かれます。足関節は脛骨、腓骨、距骨から構成されており、全身の体重を支えています。一方足は多数の小さな骨と関節で構成されています。各関節には関節を支える靱帯が存在し、足の構造を正常に保っています。

 足の骨は正面・側面からみるとアーチ状に配列されており、体重がかかったり衝撃が加わった際にショックを吸収する役目を持っています。

足の構造とアーチ

 

足の症状

 足の主な症状は痛みであり、特に歩行時にいたみがでることが多くなっています。他皮膚が薄いため腫れやむくみも目立ちやすくなっています。

 

代表的な疾患:足関節

外傷

①足関節捻挫

 歩行時や運動時に足首をひねって受傷することが多く、その中でも足関節周囲の靱帯を伸ばしてしまう捻挫が最も多くなっています。ほとんどの場合安静にて治癒しますが、症状によってギプスで固定したり松葉づえを使うこともあります。

足関節捻挫

 

②骨折

 足をひねった結果足首周囲の骨折を起こすこともあります。ギプス固定にて骨がくっつくのを待つこともありますが、手術が必要になることも多いです。

 

③アキレス腱損傷

 足関節後方にはアキレス腱があり、損傷をしやすい部分です。足を強く踏み込んだ時に起こることが多く、普段運動をしていないお父さんが子供の運動会でハッスルしてアキレス腱を切る、みたいなこともよく見ます。治療は手術をする方法と手術をせずにアキレス腱がくっつくのを待つ方法がありますが、それぞれ一長一短あり、患者さんの希望や運動の頻度などを含めて総合的に治療方針を決めることが多くなっています。

アキレス腱の構造

 

④変形性足関節症

 足関節は体重を支える関節であり、加齢や病気、外傷で変形が生じることがあります。特に捻挫や骨折などの怪我をした後適切な治療を受けなかった場合は足関節の症状が残り、その後時間の経過により少しずつ変形が進んでいくことがあります。一度変形した足関節は基本的に戻らず、痛みや腫脹が慢性的に続く人もいます。痛みが強い時は手術をすることもあります。

 

代表的な疾患:足

①外反母趾

 長年使ってきた足が変形してきて、特に親指の基部が出っ張ってしまう変形を外反母趾といいます。原因としては生まれつき変形が出やすい人もいますが、つま先の小さいきつい靴やヒールの高い靴を履き続けると変形が生じやすいと言われています。親指の基部の出っ張っている部分が赤くはれ、痛くなることが多くなっていますが、ほかの足指の根元にタコができたりが痛くなる中足痛も症状としてよく出ます。治療は靴の指導、装具の使用や痛み止めで経過を見ることが多くなっていますが、症状が強い人は手術を行うこともあります。

外反母趾

 

②偏平足

 先述の足のアーチが乱れ、特に土踏まずの高さが小さくなり扁平の足になる変形を言います。後脛骨筋という筋肉の機能不全でも変形が生じやすくなります。足への負担をうまく逃がすことができなくなり、足の痛みや外反母趾などの他の変形も生じやすくなります。

 足は全体でバランスをとっており、偏平足の人は外反母趾になりやすく、また外反母趾が他の足の指の変形を生じさせることもあります。治療は装具を使ったり薬を飲んだりしますが、合わない靴を履き続けることも大きな要因になっているため、靴の指導も併せて行います。痛みが強い人は手術を行うこともあります。

正常足とアーチのなくなった偏平足

 

③痛風

 古くは帝王病ともいわれていたものです。一般的には暴飲暴食により体の中の尿酸値が上昇し、処理しきれなかった尿酸が足の親指の付け根で炎症を起こすことが初期症状であることが多くなっています。治療は初めて痛くなったときはまず痛み止めを内服し、痛みが落ち着いたら発作を起こりにくくするために尿酸値を下げる薬を飲みます。最近痛風は暴飲暴食だけではなく、脱水やストレスも発作の引き金になると言われています。食べ物では肉や卵がよくないと言われていますが、一番良くないものはお酒です。プリン体がよく悪者になっていますが他のアルコールも基本的に痛風にとって悪いものだと考え、飲酒量を減らすのも重要です。

 

診断

 レントゲンやCTで骨の状況を調べるとともに、必要ならばMRIで靱帯を調べることもあります。痛風やリウマチによる変形を疑う際は採血も併せて行うことがあります。

 

治療

 基本的に手術を行うか、保存的に加療を行うかに分かれます。特に外傷後は痛みの軽減や後の変形を防ぐためにギプスや松葉づえを使うことも多くなっています。併せて痛みを抑える湿布や飲み薬を使い、治療経過によって筋力増強や歩行訓練などのリハビリを行います。他にも足底板装具や足関節装具を使うこともあります。

 足は一度変形してしまうと基本的に自然には戻りません。そのため治療は後々変形が生じるのをとにかく防ぐことが第一の目標になり、そのためには早期治療が必要になってきます。足の痛みや怪我をした際はぜひ一度ご相談ください。

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