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生活習慣病について

生活習慣病という言葉を耳にされる方は多いと思いますが、この言葉が意識している生活習慣とは具体的に何かというと、カロリーの多いものの食べ過ぎ、栄養の偏った食事、お酒の飲み過ぎ、運動不足、寝不足、喫煙、換気が不十分な環境や掃除の行き届いていない環境での生活などのようなものです。

このような生活習慣がどのような病気を引き起こすのかというと、代表的なものでは高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満症などです。いずれも頻繁に耳にすることが多い病名だと思います。これらの病気が生活習慣病と呼ばれています。なぜ頻繁に耳にするようになってきているのかというと、これらの疾患が治療をせず放置されているとゆくゆくは脳卒中や心臓病など重大な病気を引き起こすことになるからです。脳卒中や心臓病になると大きな苦痛や後遺症をもたらすことはもとより、命を落とす方が非常に多いのが現状です。脳梗塞や心臓病は、がんを除けば日本国内の死因のトップです。ですが見方を変えれば、もともとは毎日の生活習慣に起因していることから、生活習慣の改善に着手し始めれば、これらの病気で命を落とさずにすむ可能性が非常に高くなるということであり、そのことから、生活習慣を見直し、疾患を予防していきましょうという話がみなさまの耳に入るようになったということです。

しかしながら残念なことに、実際には多くの国でもそうですが、日本においても国内で生活習慣病の予防や治療が十分に行われているかというと、行き届いていない状況にあるのが現状です。なぜあまり行き届いていないのでしょうか?それは、生活習慣病の多くが、病気といえばまず連想される「症状」というものが無いということが理由です。例えば風邪を引いた場合は、咳が出たり、熱が出たりするため、「病気にかかった」という実感があるのですが、生活習慣病の多くは、病気となってもまったく普段と変わらないのです。みなさんの多くは何か症状が出て不快を感じるから、「病院に行って治してもらおう」という気持ちが生じてくると思います。きっかけとなる「症状」が無い訳ですから、まず病気であることに気づかないということが予防や治療が不十分になる大きな原因の一つです。大事なことは、血圧や血糖値などが高いとわかったら、その時点でご自身の意志で「病院に行ってみよう」としっかりと行動に移すことです。したがってもしも、会社や各市町村の健康診断で検査の結果が基準値より高かったとわかったら、病院への受診をぜひ考えてください。受診をすることによってしっかりと診断をつけてもらうことができます。

もう一つ、生活習慣病の予防や治療が十分に行き届いていない理由として、生活習慣病になっているとわかっていても治療のための受診を中断してしまうことが挙げられます。身の回りを見渡してみると、高血圧症や糖尿病などを持っていて、特別病院には行っていないという方を見受ける場合が多いかと思います。生活習慣病は誰もが一つや二つ持っているという安心感から、「病院を受診するまでもない」という考えに至ってしまいやすいということです。例えば、高血圧症の方は脳卒中になるリスクが高いのですが、いわゆる高血圧症のはじまりと言われる上の血圧が140を超えると、統計的に100人中1人が脳卒中を起こしてしまい、麻痺で手足が動かなくなってしまったなど後遺症に見舞われてしまっているのです。血圧が160、180、200など更に高い方もたくさんおり、そういった方よりも高血圧症としての緊急性はありませんが、基準値から少し高くなっただけと思われがちなこの血圧の方でも脳卒中が起こりやすいということで十分治療の対象範囲となってくるのです。ですので軽症のうちから、高血圧症は十分に治療をすることが重要です。そして、治療を続けることによって、もし140以下まで血圧を下げてあげると、統計的に脳卒中の発症リスクが急激に下がり、十分な脳卒中予防ができるようになります。こういったことを意識することで、病院を受診する動機がみなさまの中に作られていくと考えています。高血圧症と同じように血糖値や肥満なども同じと捉えていただき、基準値を超えたら受診を考えてみてください。

当院でも、地域のみなさまが可能な限り健康な生活を続けることができるよう、生活習慣病の予防や治療を行うことで地域貢献に努めております。生活習慣病は患者さまと医師、看護師などが協力して治療を進めていく病気です。なぜなら、快適だった生活習慣を変えなければならないと考えると受診を控えたくなることも人間として当然起こってくる心理だからです。生活習慣病は、長くじっくり付き合っていかなくてはいけない病気です。そのために、日常生活で「してはいけないこと」だけではなく、「してもよいこと」という視点も持ちながら、診察の中で具体的にアドバイスさせていただきます。楽しくない生活習慣は続きません。継続していける治療を一緒に考えながら実施していくことを当院では目指しています。お気軽にご相談ください。

 

検査基準値

健康診断などで検査結果が基準値を超えたら受診をお勧めします

 

BS 血糖値 126mg/dl以上
HbA1c ヘモグロビンA1c 6.5%以上
収縮期血圧 上の血圧 140mmHg以上
拡張期血圧 下の血圧 90mmHg以上
LDL コレステロール 140mg/dl以上
HDL コレステロール 40mg/dl未満
TG 中性脂肪 150mg/dl以上

 

生活習慣病の対象疾患

高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)

 

高血圧症とは

高血圧症は血圧が高い状態が続いてしまう病気です。つまり血液が、通路である血管の壁の内側を押す力が強すぎる状態が続くということです。この状態をそのままにしていると、血管の壁は押す力に耐えるため段々厚く、硬くなり、血管の通路が狭くなります。通路が狭くなった結果として、血液がうまく流れなくなり、全身の細胞に十分な酸素と栄養が到達しにくくなります。いわゆる動脈硬化というものです。

そして、酸素や栄養が不十分な臓器が心臓病、脳卒中、腎臓病などを発症させてしまいます。高血圧症自体は、自覚症状は余りありません。ですが体に大きな障害をもたらす病気をいずれ発生させます。ほとんどの高血圧症は、生活習慣を見直すことで改善できます。

 

糖尿病とは

血液中を流れる糖分が増えた状態が続いてしまう病気です。糖分をおさえるインスリンというホルモンがうまく機能していない状況です。糖分があまりにも増え過ぎると、それだけで昏睡を起こし意識を失いますが、そこまででない糖尿病自体は、著しい自覚症状は余りありません。しかし糖尿病になっていることに気がついていない方も、思い返すと、喉が渇きやすい、トイレが近い、疲れやすいなどの軽微な症状があったことを自覚できることがあります。この状態をそのままにしていると、過剰な糖分が流れることで血管の壁を傷つけていきます。細い血管が傷ついていくと、例えば目の網膜の毛細血管の傷は失明を起こします。腎臓の毛細血管の場合は、尿を作ることができなくなり、週3回、1回数時間かかる透析が必要になる状況をもたらします。手足の毛細血管であれば、神経に影響が出てしびれや麻痺を起こします。また、細くない血管でも、傷口にコレステロールなどが溜まって塊を作っていき、ある時点で破裂し、そのかけらが血管を詰まらせ、詰まった部位によって脳梗塞や心筋梗塞などを発症させてしまいます。足の血管が詰まり、足先から腐ってしまい、切断することになってしまった糖尿病の患者さまも多くいます。また、治療をせずに上記の昏睡が車の運転中に起きた場合は、重大な交通事故を引き起こす可能性があります。糖尿病はお薬と食事や運動の生活習慣の見直しで改善を目指していきます。

 

脂質異常症(高脂血症)とは

血液中を流れる脂質が増え、脂質バランスが悪い状態が続いてしまう病気です。過剰な脂肪分は血管の壁の内側に溜まっていき、血液の流れる通路を狭くしていきます。脂質異常症はすぐに何らかの症状が現れるということは基本的にないため、危機感を持ちにくくそのまま放置する人も少なくないですが、放置すると、心臓病、脳卒中、腎臓病などを発症させてしまいます。生活習慣の見直しで改善を図っていきます。

 

当院の取り組み方

  1. 服用している薬の十分な説明と服薬状況の確認
  2. 食事指導
  3. 運動指導

 

 

 

 

困ったときにお読みください。

生活習慣病Q&A(よくある質問)

生活習慣病とは何ですか?

食事や運動、喫煙などの習慣が引き起こす病気全てを指します。特に「がん」「脳卒中」「心臓病」は三大生活習慣病といわれ、日本人の3人に2人が亡くなる原因になります。
こうした病気を避けていくためにはその原因になる、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高コレステロール血症)を医師とよく相談しながらその方の年齢や環境、意欲に合わせて無理なく改善していく必要があります。
厳しい目標はすぐに挫折してしまいますから、できるものから一緒に考えていきましょう。

健診で高血圧だと言われましたがどうしたらよいですか?

まずは本当に治療が必要な血圧値なのかをチェックしましょう。
健診などでは緊張してしまい一時的に血圧が高くなっていることがよくあります。
重症高血圧でなければ、まずは正確に血圧を測定する方法をお伝えします。
そして一定期間測定した後にその方の年齢や体格、生活習慣を考慮した上で、内服治療が必要であるかを判断します。
高血圧症はあまり自覚症状のない病気ですが、放置しておくと脳卒中や心筋梗塞の大きな原因になります。
必ず医師にご相談ください。

糖尿病だと言われましたがどうしたらよいですか?

まず血糖に関する複数の項目の採血と尿検査で、正確な身体の状態をチェックします。
そして第一段階として生活習慣(主に食事と運動)をできる範囲で修正して様子を見ていきます。
それでも血糖値が改善しない場合には第二段階として内服治療を行います。
最終的にはインスリン治療を考慮するという手段をとります。
糖尿病は、病気のデパートで、脳梗塞や心筋梗塞の温床になります。

コレステロール(または中性脂肪)が高いと言われましたがどうしたらよいですか?

その方の年齢や性別、他の病気を持っているかを考えて内服治療がすぐに必要であるかを判断します。
もし猶予できるなら生活習慣(主に食事と運動)を修正し、それでも数値が期待通り下がらないなら内服治療を行います。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を放置しておくと心筋梗塞の危険性が高まります。

禁煙外来はありますか?

肺癌やCOPDなど呼吸が困難になる病気を予防する為にも内科医師に相談しましょう。

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